現地リポート!ノルウェー・オスロの公共図書館がモダンにリニューアル
ノルウェーの首都オスロに2020年6月、新しい公共図書館「Deichman Bjørvika」がオープン。エンターテインメント性に富んだ最新設備とフィヨルドを一望できる絶好のロケーションで、ノルウェーの新しいランドマークになっています。今回は、その魅力を現地からリポートします!
公共図書館は、観光コンテンツが乏しいことが指摘されていたオスロの都市再生計画(フィヨルド・シティ・プロジェクト)の一環としてリニューアル。ノルウェーの玄関口である中央駅から徒歩5分ほどの海岸エリアに位置し、近隣には2007年に完成したオペラハウスや現在建設中の新ムンク美術館があります。
図書館の前には、ウォーターフロントのテラスやユニークなモニュメント、遊歩道や駐輪場などが整備され、人と自然が出合うダイナミックなハブとして、地元の人々の憩いの場となっています。また、「Deichman Bjørvika」は、オスロで唯一、日曜日にもオープンしている図書館とあって、連日多くの若者や家族連れが訪れています。
地下1階、地上5階建ての館内には、約450万冊の豊富な蔵書と広い読書スペースの他、さまざまなアクティビティエリアが設けられています。建築デザインを手掛けたのは、数々のデザイン賞を受賞するオスロの建築スタジオ「Lundhagem」と「Atelier Oslo」。インテリアと家具のデザインは「Scenario」社によるものです。
各フロアにはテーマが設けられ、インテリアもその主題に合わせた雰囲気になっています。全館に無線LANが設置され、電源を利用できる座席もあるので、読書の他、PCを持ち込んで仕事や勉強をするのにも便利。また、海に面した高窓からはフィヨルドや街の景色を見渡すことができ、眺望を楽しむための好スポットでもあります。
空間を贅沢に使った読書スペースには、座り心地の良いソファがいくつも置かれていて、長時間の読書でも快適に過ごせる環境になっています。図書館利用者だけでなく、観光客や家族連れも多く訪れるため、一般的な図書館よりザワついていますが、スペースが広いので読書中もさほど気になりません。
その他にも、楽器を弾けるスペース、テレビゲームやDVD鑑賞のためのサウンドルーム、大人数で映画鑑賞ができるシアタールーム、3Dプリンタや大型プリンター、ミシンなどが利用できるワークスペースなどがあり、単なる図書館というよりも、さまざまな趣味や活動の場を提供するパブリックスペースとして機能しています。
下層階には、子供たちが遊びながら読書を楽しめるスペースが豊富です。子供向けのミニシアターやジャングルジムのような備え付けの遊具が用意されていて、誰でも無料で利用することができます。子供たちがかくれんぼをしたり、楽器を弾いてみたり、ボードゲームをしたりと、非常に賑やかな空間が広がっています。
4階以上の高層階は、静かに読書や学習をしたい人に向けて、ミーティングルームや個室になった学習用スペース、パーテーションで区切られたスペースが複数あり、それぞれがユニークなアートワークで彩らています。落ち着くか落ち着かないかは別として、デザインにはこだわりが感じられますね。
また、館内にはレストランやカフェバーも併設。観光客も気軽に利用しやすいキャッシュ・オン・デリバリーのカフェバーでは、コーヒーやソフトドリンク、ペストリー、サンドイッチなどが販売されています。16時からはビール、ワインなどのアルコール類と小皿料理も提供されるので、使い勝手が良さそうです。
読書だけでなく、さまざまなアクティビティやコミュニケーションも体験できる新しいカタチの図書館「Deichman Bjørvika」、ノルウェー旅行の際はぜひ訪れてみてください。
【Information】
オスロ公共図書館(Deichman Bjørvika)
開館時間:平日8:00~22:00/土日10:00~18:00
Anne-Cath, Vestlys Plass 1,
0150 Oslo, Norway