世界一予約の取れないレストラン「ノーマ」、予約をキャンセルしないでと訴える
新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているヨーロッパでは、国境の閉鎖や市民の外出禁止令などが相次いでいる。
多くの感染者を出している北欧各国も例外ではなく、デンマークのメッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は現地時間の3月17日夜、18日の10時からデンマーク国内のショッピングモールや飲食店を閉鎖すると発表した。すでにデンマークのレストランやホテル業界では15,000人以上がレイオフされており、中小企業においては倒産の危機に瀕する企業も出ているようだ。
そんな中、「世界のベスト・レストラン50」の常連であり、世界でもっとも予約が困難なレストランの一つ、デンマークの「ノーマ(noma)」が公式ウェブサイトで、予約をキャンセルせずに延期してほしいと訴えている。
公式ウェブサイトに掲載された声明によると、「私たちは4月14日までレストランを閉店することを決めました。この決定は私たちにとって非常に困難なものです。しかし、レストランの扉を閉めても、人生や友情の扉が閉まったわけではありません。私たちは同じ問題に直面している人たちのために立ち上がり、チャレンジをし続けます」とある。
また、業界を代表して「あなたがもし、世界中のレストランを助けたいと思うなら、予約をキャンセルするのではなく、来店日を延期する選択をしていただけたらと思います。お気に入りのレストランのギフトカードを購入してサポートすることもできます。また、引き続き営業しているレストラン、カフェ、ベーカリー、食料品店のサポートもお願いします。そこで働く人々はあなたの友人であり、私たちは一つのコミュニティなのですから」と述べている。
日本では、観光業界や小売店が大きなダメージを受けている他、株価の下落や消費の落ち込みなど、経済に深刻な影響が出ているとの報道がある。その一方で、フェイクニュースによりトイレットペーパーなどの日用品の買い占めが問題になっているとも聞く。
感染の拡大を防ぎ、この世界規模の難局を乗り越えるために、私たち一人ひとりに何ができるのか、今こそ冷静に考えなければならないだろう。