デンマークのメッテ・フレデリクセン首相、涙ながらにミンクの一斉殺処分を謝罪

デンマークのメッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相が11月26日、突然変異した新型コロナウイルスによるミンクの大量殺処分について、報道陣を前に涙ながらに謝罪した。

Mette Frederiksen

報道陣を前に涙を拭うメッテ・フレデリクセン首相/Photo:ekstrabladet.dk

世界最大のミンクファーの輸出国であるデンマークでは今月初め、一部のミンク農場で突然変異した新型コロナウイルスが検出され、さらに人間への感染が確認されたことから、国内で飼育されている1,500万匹以上のミンクを一斉に殺処分。しかし、その後、殺処分に関する政府の命令に法的権限がないことが判明。政府も過失を認め、食品・水産大臣のモーエンス・イェンセン(Mogens Jensen)氏が引責辞任していた。

この日、ミンクが殺処分されたデンマーク南部の農場を視察したフレデリクセン首相は、TV2放送局の取材に対して、感極まった様子で「対応に過失があったことは明確で、私が謝罪することに何ら問題はない」と発言。また、「これは新型コロナウイルスによる被害であり、ミンク農場には責任がない」とも明言した。

デンマークのミンク農場

デンマークのミンク農場(イメージ)

殺処分されたミンクは、焼却だけでは対応が困難なため、デンマーク西部のホルステブロ(Holstebro)市郊外にある軍の訓練場に埋葬された。環境省によると、死骸は深さ1.5m以上の場所に埋めるよう指示したというが、実際には深さ1m程度のところに埋められており、腐敗によって生じたガスの圧力で死骸が地上へと押し上げられ、墓地から一斉に出現するというアクシデントが発生。現地のソーシャルメディアなどでその様子が拡散され、ちょっとした騒ぎになっている。

しかし、一連の対応による政権へのダメージはほとんどなく、メッテ・フレデリクセン首相の支持率はコロナ以前に比べて飛躍的にアップ、現在も高い支持率を維持している。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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