コロナ禍でも会いたい。国境で3密を避けるスウェーデンの双子兄弟
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた一連の国家施策ため、現在スウェーデンとノルウェーの国境は封鎖されている。一部の国境警備には軍が派遣されており、付近は物々しい雰囲気だ。そんな中、ノルウェーの国営放送(NRK)から思わず笑顔になってしまう微笑ましいニュースが届いた。
ポンタスさん(写真左)とオーラさん(写真右)はスウェーデン出身の双子の兄弟。しかし現在、ポンタスさんは地元のスウェーデンで、オーラさんは隣国のノルウェーで暮らしている。国境が封鎖される前はお互いの家を行き来して頻繁に顔を合わせていたそうだが、新型コロナウイルスの感染が拡大し、3月に両国が自宅隔離施策を発動してからは電話で話すだけになっていたという。
「電話だけでは足りなかったんです。やっぱり顔を見て話したいと思いました」というオーラさん。二人がとった行動は、スウェーデンとノルウェーの国境を繋ぐ橋で会うことだった。
この日はアウトドアチェアと暖かい飲み物を持参して国境までやってきた二人。写真の中央線右がノルウェー、左がスウェーデンだ。あいにく日差しの少ない肌寒い日だったが、久しぶりにお互いの顔を見て話した二人の表情はにこやかだった。
「元気な顔を見られて何より」と話す二人だが、国境警備隊から「お互いに触れたり、物を渡してはいけない」と言われるとは思っていなかったそう。「普段はハグをするんですけどね。しばらくは無理なようです」とポンタスさんは少し悲しげ。
それでも「毎週土曜日の11時にこの橋で会うことにしました」とオーラさんは言う。「幸い、これからどんどん暖かくなっていきますしね。次にここで会うときは、もっといい陽気になっているはずですよ」
感染予防対策として世界的に広まるソーシャルディスタンス。スウェーデンの双子の兄弟は、それでもポジティブだ。